今月の主題 水電解質と酸塩基平衡
臨床の話題
Hypocalciuric hypercalcemia
久貝 信夫
1
1防衛医科大学校・第3内科
pp.882-883
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220374
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血清自動化学分析装置によるカルシウム(Ca)の測定が普及し,化学型の原発性副甲状腺機能亢進症(I° hyperparathyroidism:HPT)をはじめとする無症候性高Ca血症の発見頻度が高くなっている.これらのうち家族性に発症し,予後が良好なことからfamilial benign hypercalcemia,あるいは尿中Ca排泄が少ないことからfamilialhypocalciuric hypercalcemia(FHH)と呼ばれる一群が注目されている.同一家系内に重篤な新生児I° HPTが発生し,両者の関連が示唆され必ずしも良性とはいえない面もあり,後者の呼称が一般に用いられている.I° HPTとは異なり高Ca血症に対して副甲状腺手術は無効であり,また新生児I° HPTが発生する可能性に対処する意味から確実に診断することが重要である.
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