今月の主題 消化器薬の使い方
炎症性腸疾患
ステロイド坐薬および浣腸の使い方
武藤 徹一郎
1
1東京大学医学部・第1外科
pp.596-597
発行日 1986年4月10日
Published Date 1986/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220300
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坐薬について
1)治療の対象
本療法の効果は,坐薬に含まれるステロイドが粘膜に直接接することによって期待できるものであり,溶解した坐薬の到達範囲はたかだかS状結腸下部までであるので,直腸炎が最もよい対象となる1).この他,左側結腸炎,全大腸炎の治療中に直腸の炎症をとくに軽快させ,直腸温存術をより安全に行う目的でも坐薬が使用される.また,直腸温存術後の直腸の炎症に対しても用いられる.
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