講座 図解病態のしくみ 腎臓病・12
腎血管性高血圧症
森 晶夫
1
,
張 漢佶
1
,
黒川 清
1
1東京大学医学部・第4内科
pp.2695-2700
発行日 1985年12月10日
Published Date 1985/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220151
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腎血管性高血圧症とは,腎動脈の主幹あるいは分枝の狭窄が起因となり生ずる高血圧症である.根治可能な二次性高血圧症として,臨床的に重要な疾患であり,臨床医は高血圧症患者(特に若年の場合)診療の際,鑑別診断として常に念頭においておく必要がある.
その診断,治療に関しては,腎動脈造影法以後,digital subtraction angiographyやpercu-taneous transluminal angioplastyなどの技術の開発とともに,renin-angiotensin系に関する知見の進歩,およびangiotensin II拮抗薬の開発など,近年めざましい進歩があった.本稿ではそれらの進歩について,病態生理,診断,治療の3項目に分けて記述する。
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