特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
I.循環器系
13.二次性高血圧
腎血管性高血圧
増山 善明
1
1東大・第1内科
pp.929-931
発行日 1972年7月5日
Published Date 1972/7/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204156
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腎血管性高血圧がなぜ問題となるか
二次性高血圧のなかでも特に腎血管性高血圧が注目され,重要視される理由としては,第1に成因面から,1934年Goldblattが初めて動物に作った実験的腎性高血圧に似た高血圧がヒトで臨床的にみられるということ,およびこの形の高血圧ではレニン・アンジオテンシン昇圧系が最も関与していると考えられることである.第2に臨床面では,若年者の著明な持続性高血圧のなかで,その診断法の進歩とともにしだいに数を増していること,またわが国で比較的多い大動脈およびその主要分枝の狭窄を示す動脈炎(いわゆる大動脈炎症候群・高安病)で腎動脈狭窄を合併することが多いことである.さらに,治療上,血管外科の進歩により,狭窄血管の修復手術の成功率が増し,原因を除くことにより高血圧の治癒が可能となったことなどである.
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