臨時増刊特集 エコー法の現況
Ⅱ 診断と治療への応用
B 腹部エコー法
57.産科・婦人科疾患—胎児奇形
竹内 久彌
1
1順天堂大学医学部付属浦安病院・産婦人科
pp.2400-2403
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220093
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検査の手順とポイント
①走査の進め方 妊娠子宮内をくまなく観察し,その中に胎児がどのような胎位で存在しているかをまず認識する.たとえば,横断方向にプローブを持ち,恥骨結合直上に置いて,骨盤腔深部から次第に上方へ観察を進め,胎児部分を捉えたら,これを常に視野の中に置きながらさらに上方へ連続的に走査を進めていき,次にこれらの走査で抜けていた部分を意識的に視野の中に入れながら子宮底から下方へと走査するのも1つの方法である.妊娠の週数によって観察すべき範囲が大きく変わるのは当然であり,羊水過多症や多胎に注意する.
②胎児観察の進め方 i)頭部,ii)体幹部,iii)四肢の順に走査を進めるのが理解されやすい.最初は胎児に対する横断面走査で頭部から胸郭,腹部,骨盤部へと連続的に移動し,次に胎児縦断面走査を脊柱に沿って頚部から尾方へと行う.仙骨端に至ったところでプローブの頭側端を約30°胎児腹側へ扇状移動させると,大腿骨を長軸方向で捉えることができる.大腿骨以外の四肢骨については必要に応じて観察するが,そのときは体幹側から末梢へと連続的に走査を進める.
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