Laboratory Practice 生理 超音波像の読みかた
産科―心奇形を含む胎児奇形
湊川 靖之
1
,
名取 道也
2
,
左合 治彦
3
,
林 聡
3
1国立成育医療センター臨床検査部
2国立成育医療センター
3国立成育医療センター周産期診療部胎児診療科
pp.128-134
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100472
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はじめに
近年少子化が進むなか,胎児診断に対する社会の関心が高くなってきている.また,一部の疾患では胎児治療が行われ,胎児が治療対象として認識されるようになり,疾患の早期発見と正確な診断が求められるようになってきた.一方,最近の超音波診断装置の進歩は,分解能の高い画像を提供し,またドップラー法(Doppler method)による血流診断においても低流速域の血流の評価を可能にした.これらの進歩により,より詳細な胎児情報が得られるようになり,胎児超音波検査は胎児疾患の診断・管理になくてはならない技術となっている.しかし,胎児の超音波検査を行うに当たっては,胎児の解剖や生理,母体との位置関係などを理解し,超音波装置の適切な条件設定が必要である.
本稿では,胎児超音波検査における,頭部・心臓・腹部の基本的な見方と,早期発見することにより胎児治療または新生児期の早期治療が可能なことから,これだけは発見したい先天性疾患を超音波画像とMRIとを合わせて解説する.
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