臨時増刊特集 エコー法の現況
Ⅱ 診断と治療への応用
A 心エコー法
23.肺高血圧
岡本 光師
1
1広島大学医学部・第1内科
pp.2230-2233
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220059
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検査の手順とポイント
①装置 電子セクタないしメカニカル・セクタスキャン装置を用いて,Mモード心エコー図および断層心エコー図を記録する.ドプラ機構を併有している装置では,右室流出路や肺動脈内血流パターンを記録する.最近,断層図上にリアル・タイムに二次元ドプラ血流イメージが描出される装置が開発されている.探触子はMモード,断層心エコー図,特に小児例では3.0〜3.5MHzの発振周波数を用いると分解能の良い画像が得られる.ドプラ法では2.5MHz程度の比較的低周波数の探触子のほうが良好な血流シグナルが得られる.また,一般に電子セクタのほうがメカニカル・セクタよりも探触子が小さくて操作性に富むが,サイドローブなどのアーチファクトは逆に多い.
②体位 肺高血圧の診断のためには右室流出路や肺動脈の検索が重要であるが,仰臥位での検査では肺などの影響でこれらの描出が困難なことが多く,主として左側臥位を用いる.心拡大を有する例では仰臥位でも検査が可能である.呼吸は呼気位のほうが同様に肺の影響を受けにくく,肺動脈や右室流出路の描出が容易である.
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