今月の主題 白血病—最新の知見と治療の進歩
特殊な白血病の病態
高齢者白血病
外山 圭助
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.1566-1568
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219918
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本邦において近年平均寿命の延長に伴い,高齢者の白血病が増加しつつある.
急性白血病の全白血病に対する割合は70〜80%であり,急性骨髄性白血病(AML)が約65%を占める.AMLの死亡率は60〜79歳にピークを有し,青壮年者の3倍に及んでいる1).わが国の65歳以上の高齢者白血病の全国集計による年度別頻度は,1975年43例,1976年40例,1977年51例,1978年71例,1979年74例,1980年76例と年々増加傾向を示している2).高齢者の急性白血病は青壮年者と比較して異なる病態を示し,また治療に対する反応が異なるという特色を有する.一方慢性リンパ性白血病も高齢者に特有な白血病であるが,本邦では頻度が少ないので,本項では急性白血病について述べる.
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