今月の主題 筋疾患とその周辺
神経原性筋萎縮と筋疾患の鑑別および両者にまたがる疾患群
運動ニューロン疾患
高橋 和郎
1
1鳥取大学医学部付属脳幹性疾患研究施設・脳神経内科
pp.290-292
発行日 1985年2月10日
Published Date 1985/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219629
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
運動ニューロン疾患は脊髄,延髄の運動ニューロンを中心とした変性疾患である.主症状は筋萎縮であり,知覚障害は認められない.本症の診断にあたっては遺伝,発病年齢,筋萎縮の分布,経過などに注意を払う必要がある.
筋萎縮の分布からみると,以下に述べるごとくミオパチーと区別がつきにくい場合がしばしばある、この鑑別には筋電図,神経伝導速度,筋生検などが指標となる.筋電図における神経原性変化がミオパチーと区別する重要なポイントである.運動ニューロン疾患では一般に針筋電図に著しい変化が現れ,伝導速度の変化は比較的少ない.以下運動ニューロン疾患としてまとめられている疾患群につき臨床的特徴を述べる.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.