今月の主題 再灌流療法時代の急性心筋梗塞診療
合併症に対する治療
心室中隔穿孔
鈴木 紳
1
1榊原記念病院・循環器内科
pp.96-98
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900028
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梗塞によって心筋が壊死に陥ると,この部分に亀裂を生ずることがある.これが自由壁に生ずると自由壁破裂となり,心室中隔に生じた場合には心室中隔穿孔(Ventricular Septal Perforation,VSP)となる.自由壁破裂の場合はほぼ100%が突然死のかたちをとるが,中隔穿孔の場合には突然死は稀で,徐々に血行動態が悪化し,ポンプ失調に伴う多臓器不全を合併して死に至ることが多い.一方,VSPは外科治療によって救命が可能な疾患でもあり,内科治療による心不全のコントロールを十分に行うとともに,手術の時期も逃さないようにしなければならない.
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