Japanese
English
特集 Budd-Chiari症候群をめぐって
Budd-Chiari症候群の外科治療—バイパス術
Surgical treatment of Budd-Chiari syndrome
安田 慶秀
1
,
大滝 憲二
1
,
佐久間 まこと
1
,
田辺 達三
1
,
久保田 宏
2
Keishu Yasuda
1
,
Kenji Otaki
1
,
Makoto Sakuma
1
,
Tatsuzo Tanabe
1
,
Hiroshi Kubota
2
1北海道大学医学部第2外科
2市立旭川病院胸部外科
1Second Department of Surgery, Hokkaido University School of Medicine
2Department of Thoracic Surgery, Asahikawa City Hospital
pp.1185-1190
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205575
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Budd-Chiari症候群は肝静脈閉塞や下大静脈閉塞,あるいはこれら両者の合併によって,肝腫大,腹水,門脈圧亢進を示す症候群である。下大静脈閉塞の原因としては先天性形成異常のほか,後天性のものとしては血栓性静脈炎,悪性腫瘍,外傷,腹部炎症,多血症などがある。本邦では肝門部下大静脈の膜様閉塞によるものが多い。臨床経過は急激に発症し短期間で死亡する急性型と,徐々に発現し長期間にわたり肝腫大を認める慢性型とがある。本症候群は比較的まれな疾患であるが肝機能障害の程度が軽度であるにもかかわらず,腹水,肝腫,腹壁静脈怒張などの多彩な症状を呈する場合は本疾患を疑う必要がある。本稿ではBudd-Chiari症候群に対するバイパス手術について述べる。
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