臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅺ.腎機能検査
170.パラアミノ馬尿酸クリアランス(CPAH)
永瀬 宗重
1
,
東條 静夫
1
Sohji Nagase
1
,
Shizuo Tojo
1
1筑波大学臨床医学系・内科
pp.2514-2515
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219491
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パラアミノ馬尿酸(PAH)の腎における排泄態度はDiodrastと同様で,腎糸球体で限外濾過後,近位尿細管で排泄がつけ加えられ,低血漿濃度(0.5〜3.0mg/dl)では1回の腎循環でほぼ100%除去されるため,PAHクリアランス(CPAH)は腎血漿流量(RPF)をあらわす.実際の全腎での除去率は約90%であるが,これは腎被膜や支持組織,脂肪組織などの排泄機能に関与しない部分の血流が約10%あるためで,その意味でCPAHを正確には有効腎血漿流量とよぶこともある.病腎では器質的障害の程度に応じて,この機能に関与しない組織が増大し,CPAH200ml/min以下では徐々に除去率が低下するが,この場合でもCPAHをもって臨床的なRPFとして支障はない.
CPAHの測定法にはCthioと同様に,簡便法と標準法があるが,前項(p. 2512)に筆者らの用いている標準法の負荷量およびスケジュールを示したので参考にされたい.
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