臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅷ.血液化学検査
129.γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP,GGTP)
藤沢 洌
1
Kiyoshi Fujisawa
1
1東京慈恵会医科大学・第1内科
pp.2410-2411
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219450
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γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP,GGTP)は,γ-グルタミルペプチドを加水分解するとともに,γ-グルタミル基を他のペプチドやL-アミノ酸に転移する酵素(2.3.2.1)であり,健常成人では腎に活性分布が最も高く,膵がこれにつぎ,肝の活性はきわめて低く,これら臓器の活性化比は100:8:4である.
この酵素の生理的意義については未だ定説はないが,膜系酵素として細胞内グルタチオンの分解と再合成に共範しながら,アミノ酸の転入と利用にあずかると考えられている1).肝組織では肝細胞のミクロゾーム分画で生成され,胆道系を経て排泄され,組織化学的には胆毛細管から門脈域の胆管上皮内に活性が分布する.腎では細尿管上皮細胞に活性分布が高く,膵組織ではacinusと膵管系に分布し,成人心筋にはほとんど活性を認めないが,胎児の心筋,心外膜の毛細血管内皮には活性を認める.
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