臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅶ.免疫血清検査
72.抗核抗体
宮脇 昌二
1
,
大藤 真
2
Shoji Miyawaki
1
,
Tadashi Ofuji
2
1岡山大学医学部・第3内科
2岡山大学
pp.2262-2263
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219393
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抗核抗体(Antinuclear Antibody,ANAと略)は細胞核の種々の成分を抗原とする自己抗体であり,その種類は多彩である(表1).今日これらのANAを検出し識別することは,各種膠原病の診断や臨床特徴を把握する上で不可欠のものとなりつつある.
ANAの検出法としては間接螢光抗体法(間接FAT),LE細胞試験,Radioimmunoassay(RIA),Enzyme immunoassay,受身血球凝集反応(PHA),二重免疫拡散法(ID)などがある.ANAは同一血清中に一種類のみ存在する場合と,多種類が同時に存在する場合とがある.間接FATはほぼあらゆる種類のANAを総合的に検出する方法であるのに対して,LE細胞試験やRIAなどの他の手技は個々のANAを検出し識別する方法論である.したがってANA検出法の手順としては,まず間接FATにて総合的にANAの存在を確認し,これが陽性の場合に個々のANAの検出を試みることが望ましい.
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