臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅵ.血液検査
39.白血球形態
新谷 和夫
1
Kazuo Niitani
1
1関東逓信病院付属医用情報研究所・血液研究部
pp.2180-2181
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219360
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異常値を示す疾患
血液像検査は血球数値算定と併用して広くスクリーニングの目的で実施されている.したがって多くの正常値1)に関する報告は%で表示されてはいるが,むしろ絶対数に換算して記憶したほうが臨床上有意義であろう.表1は正常者白血球の百分比を示しているが,白血球の形態異常は表中の血球種以外の幼若血球,異常血球として出現するもののほかに核や胞体の空胞形成,顆粒の異常,貪食,封入体の存在など熟練した技師のコメントがなければ見逃されてしまうものが多いことも注意する必要がある.Pelger-Huet家族性核異常,Hegglin原形質異常,Alder顆粒異常,Chediak-Higashi顆粒異常のように比較的稀な遺伝性のものを除外しても,中毒性顆粒,Dohle小体,好中球の過分葉,巨大好中球,異型リンパ球などの重要な後天性の変化があることを銘記し,臨床医は必ず一度は担当患者の塗抹標本に目を通す習慣をつけるべきである(表2).
なお白血球の形態異常を示すものとしては白血病が代表で,これについては別項で扱う.
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