どうする?パニック値 血液
6.白血球形態:異常細胞出現時
松尾 収二
1
1天理よろづ相談所病院臨床病理部
pp.1384-1385
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100166
- 有料閲覧
- 文献概要
白血球形態の異常は血液疾患や炎症などの診断や病態把握に大変有用であり,芽球や著明な好中球左方偏位のように,いわゆるパニック値に相当し速報すべき情報は存在する.ここでは末梢血塗抹標本から得られた形態所見を前提として記している.
当院の基準
白血球の異常細胞のうちパニック値に相当するものは芽球であるが,異常細胞の枠をもう少し広げて速報している.それは形態学的検査が往々にして診断や病態把握に直結するという利点を活かし医師に注意を促すことができるからである.例えば著明な好中球の左方偏位は重篤な感染症を想定し速報の対象となっている.また異型リンパ球はウイルス感染症や薬物アレルギーなどの病態診断のほかに,時として悪性リンパ腫のような血液造血器疾患の存在を表しているため速報の対象としている.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.