臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅰ.尿検査
6.尿蛋白
波多野 道信
1
,
奈倉 勇爾
1
Michinobu Hatano
1
,
Yuji Nagura
1
1日本大学医学部・第2内科
pp.2092-2093
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219327
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■尿蛋白陽性を示す疾患
尿蛋白の証明は,一般的に腎・尿路系の疾患の存在を示唆するものである.しかしながら腎尿路系疾患に限らず,表1に示すごとく生理的状態や,各種の病態が尿蛋白陽性を示すことは,尿蛋白のもつ臨床的意義の重要性を表している.健常者でも尿蛋白が証明されることが報告されており1),これらを総合的に考えれば,1日100mg以内の尿蛋白をみることが理解される.男女差はないと考えられる.この健常者の尿蛋白は,試験紙法や煮沸法では検出されず,一番鋭敏なスルフォサリチル酸法で疑陽性を示すか示さないかぐらいである.
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