Japanese
English
特集 神経系疾患のNMRによる診断
脳血管障害のNMRによる診断
Diagnosis of Cerebrovascular Diseases Utilizing NMR Imaging
加藤 宏之
1
,
飛田 宗重
1
,
小暮 久也
1
Hiroyuki Kato
1
,
Muneshige Tobita
1
,
Kyuya Kogure
1
1東北大学医学部脳研神経内科
1Department of Neurology,Institute of Brain Diseases,Tohoku University School of Medicine
pp.459-468
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406205509
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I.はじめに
核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance,NMR)によって得られる生体情報は既存の診断法によるものと本質的に異なるユニークなもので,その画像診断法(NMR—CTあるいはmagnetic resonance imaging;MRI)としての確立と,NMR情報,特に緩和時間の生体系における意義について,大きな期待と興味が持たれており,脳血管障害もその例にもれない。
現在,X線CTは脳卒中(cerebrovascular accident,CVA)の診断に欠かせないものになった。特に,出血性病変と虚血性病変の鑑別能力は決定的で,脳出血か脳梗塞かの最終診断はCTの結果による事が多い。病巣の位置と大きさ,脳浮腫の発生,mass effectの有無等が視覚的に認識され,他疾患の除外にも威力を発揮する。その他にも,くも膜下出血や脳動静脈奇形等あらゆる脳血管障害にも,非侵襲的な事から補助診断法の一つとしてCTは繁用されている。
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