今月の主題 循環器薬の使い方
慢性期虚血性心疾患
血小板凝集抑制剤の使い方
橋本 豊三
1
Toyozo Hashimoto
1
1橋本内科
pp.1206-1207
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219123
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慢性期虚血性心疾患を治療するうえで最も重要な終極的課題は,いかにして心筋梗塞の発症ないしは再発を予防するかにある.従来,冠動脈血栓は心筋梗塞の原因であるといわれてきたが,近年それはむしろ結果であるという考え方も出てきた.この点に関してはまだ最終的な結論は出ていないが,いずれにせよ,冠動脈血栓の予防が梗塞の発症防止ないしは梗塞巣の拡大防止に寄与することは十分に考えられることである.また血栓形成,とくに動脈血栓(白色血栓)の形成にあっては,血小板が中心的役割を演じていることは疑う余地がない.このような観点からしても,慢性期虚血性心疾患に血小板凝集抑制剤を投与することは,理論的に有意義と思われる.
血小板凝集抑制剤として,実際に臨床的に用いられている薬物を以下に説明する.
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