今月の主題 糖尿病診療の実際
トピックス
食物線維
土井 邦紘
1
,
松浦 省明
1
Kunihiro Doi
1
,
Masaaki Matsuura
1
1神戸大学医学部・第2内科
pp.1048-1050
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219087
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最近成人病の罹病率が増加するとともに,食物線維の効用がにわかに注目されるようになった.そしてこれは,アメリカ,イギリス,カナダなどの糖尿病学会から今回出された糖尿病者のための食事療法指針1)の中でも食物線維の重要性を取り上げて,できるだけ自然のものを沢山食べるようにと勧告されるまでになった.このような状況下でわが国でも,科学技術庁から出版されている「日本食品標準成分表」の中にも食品中に含まれている食物線維の量を記載してはという動きがある.いずれにしても従来栄養価もなく,かえりみられなかった食物線維だけに,その栄養学上の作用機序については不明な点が多々あるのが現状である.そこでここでは,これまで筆者らが行ってきた実験2)〜4)のなかから,とくに食後血糖上昇抑制作用と血清コレステロール低下作用について具体的に症例を呈示して説明し,現段階での臨床応用について紹介することにする.
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