今月の主題 糖尿病診療の実際
境界領域
糖尿病患者の心理的問題
笠原 督
1
Tadasu Kasahara
1
1東京女子医科大学・糖尿病センター
pp.1042-1043
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219084
- 有料閲覧
- 文献概要
糖尿病患者の心理を理解することは,糖尿病を管理する上で重要である.感情はepinephrineなどのインスリン拮抗ホルモンを介して,直接血糖に影響するばかりでなく,感情的ストレスにより,食習慣とか日課となった行動が変化したり,インスリン注射を中止してしまうことさえおこり,血糖コントロールがさらに乱れる結果となる.
実際,糖尿病に罹ると,注意深い食事療法とか,毎日のインスリン注射など患者自身が行うべき部分が多く,一生にわたって毎日,心理的な圧迫が加えられることはいうまでもなく,したがって患者の感情反応を十分理解することが必要である.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.