Laboratory Practice 生化学 これからの臨床協力業務事例集
糖尿病教室 その3 糖尿病患者へのSMBGの指導方法 心理的アプローチ
田中 久晴
1
,
舩井 久子
1
1済生会和歌山病院臨床検査科
pp.434-438
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100650
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はじめに
現在,糖尿病患者数は690万人,予備軍を含むと1,600万人と推測されている.糖尿病の一,二,三次予防の重要性が指摘されている.しかし,糖尿病のコントロールは患者自身の自己管理に依存する部分がほとんどであることと生活習慣に根付いた疾患であることとが糖尿病のコントロールをより複雑にしている.
そこで近年,糖尿病患者教育の必要性が指摘され,各施設においては糖尿病教室などで患者教育に私たち臨床検査技師がかかわる機会も少なくない.そこで,糖尿患者であっても合併症を併発することなくQOL(quality of life,生活の質)を良好に維持するためには,血糖コントロールは不可欠である.インスリン使用患者に限ってという制限はあるものの健康保険の適応がされて以来,多くの簡易自己血糖測定(self monitoring of blood glucose,SMBG)用機種が発売されその機種も小軽量化,測定時間の短縮化,採血部位などの工夫がなされ確実に利便性は向上している.しかし,実際使用測定する患者に自己血糖測定機器の適正な使用が求められている.
本稿では実際の臨床検査技師のかかわるSMBGの指導方法を患者の心理的アプローチの観点を中心に述べる.
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