今月の主題 糖尿病診療の実際
合併症
網膜症の診断と管理
松井 瑞夫
1
Mizuo Matsui
1
1駿河台日大病院・眼科
pp.1022-1023
発行日 1984年6月10日
Published Date 1984/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219074
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糖尿病の血管合併症の一つとして,糖尿病性網膜症が失明の可能性をかかえているため,臨床的にも社会的にも問題とされるようになって長い年月がたっているが,われわれ眼科医を訪れる重症網膜症による失明者,すなわち盲人糖尿病患者blind diabeticsは増加こそすれ減少することはない.糖尿病の診療が単なる代謝疾患として取扱われるのではなく,血管障害をふくむ全体像を対象として行われるべきことが,多くの機会に主張されているのにもかかわらず,上述の状況が改善されないという現状を,ここでもまず述べておきたい.そして,本稿においても,このような失明の可能性をかかえた糖尿病性網膜症という観点に立って,その診断と経過観察,すなわち網膜症の管理について述べることにする.
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