臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IX.代謝・栄養障害
糖尿病合併症の治療
195.光凝固が禁忌あるいは無効な網膜症
松井 瑞夫
1
Mizuo Matsui
1
1日本大学医学部・眼科
pp.2528-2529
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218736
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現在,糖尿病性網膜症に対する光凝固療法は,本症に対する主要な治療の1つとなっている.しかし,光凝固療法自体が治療を目的としているとはいえ,レーザーという高エネルギーをもった集光性にすぐれた光線を用いて,網膜という再生能力のない神経組織が治療の場となっているので,その実施にあたっては慎重を期さねばならないことは当然である.
すなわち,適応の決定を慎重に行い,さらに適応として実施するときにも慎重を期するということである.まず,第1の段階の適応決定の際には,禁忌となる病態を十分に理解しておくことと,光凝固が無効とされている病態を理解しておくことによって,有害なあるいは無益な光凝固を絶対に行わないことが肝要である.
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