今月の主題 気管支喘息—病態から治療まで
抗アレルギー薬
カルシウム拮抗剤
笛木 隆三
1
,
富岡 真一
1
,
田中 哲治
1
,
根本 俊和
1
,
小林 節雄
1
Ryuzo Fueki
1
,
Shinichi Tomioka
1
,
Tetsuharu Tanaka
1
,
Toshikazu Nemoto
1
,
Setsuo Kobayashi
1
1群馬大学医学部・第1内科
pp.628-631
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218988
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気管支喘息の発症機序に関与する因子が,多種多様であるとともに,最終的な主症状である呼吸困難が発現するまでの病態生理学的経路も単一ではない.しかしながら,呼吸困難の原因は,機序の如何をとわず気道狭窄が主因を成すことから,この気道狭窄を改善するための気管支拡張剤は,喘息治療の歴史の中でも比較的古くから用いられてきた.epinephrineなどのβ刺激剤またはキサンチン製剤がこれらの主流を占めるが,これら気管支拡張剤のみでは必ずしも十分な治療効果が得られない症例も多々あり,その原因としては,気管支拡張効果や薬効持続時間が必ずしも十分でなかったり,あるいは最近明らかになってきたように,leukotrienesなどのchemical mediatorsでは,平滑筋の存在しない17分岐より末梢の,呼吸細気管支,肺胞管,肺胞などを含む肺切片が,気管,気管支よりもより強い収縮を生じ1),この部分に平滑筋と異なるcontractile element2)が証明されることなどが問題となってきている.
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