今月の主題 気管支喘息—病態から治療まで
発症機序
喘息と受容体
佐野 靖之
1
Yasuyuki Sano
1
1国立病院医療センター・呼吸器科
pp.584-587
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218976
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気管支喘息の病態については,β機能低下,α機能亢進,副交感神経亢進などの自律神経系の異常の関与や,IgE抗体で知られる主にI型アレルギーの関与,遺伝的アトピー体質の関与,histamine,prostaglandin F2α,leukotriene C4,D4などのchemical mediatorの関与など種々複雑であるが,特徴的病態として気道過敏性の亢進が知られている.最近のmolecular pharmacologyの進歩はめざましく,上記の病態に関与する種々のreceptorが直接測定可能となってきている.また,autoradiographyや直接気道の径を測定することにより,これらのreceptorの作用の局在も判明してきている.
本稿では,主にreceptorの立場より,これらの病態との関わりについて概説する.
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