面接法のポイント
全人的医療の展開のために(1)
河野 友信
1
Tomonobu Kawano
1
1東京都立駒込病院・内科心身医療科
pp.178-179
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218880
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医療は,病者あるいは病者を案ずる関係者との出会い,換言すれば,広い意味での面接からまず始まるといえる.現代の医療は,医師を中心にした数多くの医療スタッフによるチーム医療であり,そのためには医療チーム間のよいコミュニケーションが不可欠である.
現今,従来の疾病中心(illness centered)の臨床医学のあり方が反省され,かわって患者中心(patient centered)の全人的医療(total health care)が志向されるようになってきた.病人中心の,患者のニードに即した医療のあり方は今なお模索の段階ではあるが,そこでは,まず,患者のニードがどこにあり,問題は何なのか(problem oriented)が明確にされなければならない.そのためには患者をよく理解しなければならないが,医療における面接の役割の一つは,患者を理解し医療に方向づけをすることである.
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