今月の主題 新しい栄養療法
各種疾患における栄養療法
小児疾患の栄養療法
松田 隆
1
,
白木 和夫
1
Ryu Matsuda
1
,
Kazuo Shiraki
1
1鳥取大学医学部・小児科
pp.76-78
発行日 1984年1月10日
Published Date 1984/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218862
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小児における栄養療法の特性
小児は,大人をそのまま小さくしたものではなく,その体液バランスの特徴として,①体重当たりの体液量が成人の55%に比して多く,乳幼児では75〜60%である.②乳幼児の水分必要量は,成人の約3倍の150〜100ml/kg/dayである.③嘔吐,下痢,発熱などによって,容易に体液バランスを崩し,腎の未熟性も加わって,水電解質代謝異常,酸塩基平衡の障害をきたしやすい.④一度脱水が起これば,体力の消耗は著しく,心・腎・肝などの機能障害,意識障害をきたし,ショック状態になりやすい,などがあげられる.したがって,病初期には輸液療法から始められることが多く,ひき続いて,食事療法,種々の治療乳,elemental diet,経静脈栄養(高カロリー輸液)などが行われてきている.
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