特別寄稿
B型肝炎母子感染防止事業について
衞藤 隆
1
,
白木 和夫
2
1国立公衆衛生院母性小児衛生学部
2鳥取大学医学部小児科
pp.482-486
発行日 1988年6月25日
Published Date 1988/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207400
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに──B型肝炎母子感染防止事業の概要
すでに広く知られているように,昭和60年5月17日付で厚生省児童家庭局長より発せられた「B型肝炎母子感染防止事業の実施について」という通知をもって,現在日本全国で行なわれているB型肝炎母子感染防止事業がスタートした。この事業は国が補助金をだし,保健所を設置している地方自治体(47都道府県,54の政令市および特別区,以下これらを単に自治体とする)が実施主体となって行なうものである1)。
最も早く事業を開始した所でも,妊婦の検査事業(全妊婦に対するHBs抗原検査,陽性者に対するHBe抗原検査)が開始されたのは,昭和60年度の途中からで,乳児に対する検査・処置が行なわれるようになったのは昭和61年1月1日以降である。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.