臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
XII.癌
内科領域の固型癌の化学療法の実際
229.胃癌,大腸癌に対する術後化学療法—その適応といつまで続けるか
井口 潔
1
,
神代 龍之介
1
Kiyoshi Inokuchi
1
,
Ryunosuke Kumashiro
1
1九州大学医学部・第2外科
pp.2610-2611
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218770
- 有料閲覧
- 文献概要
胃癌,大腸癌に対する第1の治療法は外科手術療法であることに異論はない.その遠隔成績向上のために,術後の補助化学療法が種々試みられている.
胃癌・直腸大腸癌患者の多くの例で末梢血に腫瘍細胞がみられたというEngell1)の報告以来,手術の際に術野,血液中あるいはリンパ管内に散布された癌細胞を殺す目的で,手術に化学療法を併用することの重要性が認識されてきた.しかし,術後の再発・転移による死亡は多く,5年生存率よりみた胃・大腸癌の成績は必ずしも十分なものではない.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.