臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IX.代謝・栄養障害
糖尿病治療のポイント
182.筋肉労働者,運動選手,日差のある職業従事者の食事処方
泉 寛治
1
Kanji Izumi
1
1国立大阪病院・糖尿病センター
pp.2496-2497
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218723
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糖尿病患者は血糖をコントロールし,その日内変動を正常に近づけることにより合併症,ことに細小血管障害の進展を防止することができるといわれている1).労働量,運動量の多い場合,日差のある場合には血糖コントロールがむずかしく好ましくない職業とされている.筆者らが若年糖尿病者の就職についての討論会をもったとき,自分の好む職種をえらんだ血糖コントロールに努めたいという意見が多かった.相撲力士にも糖尿病のあるものが多いが職業を選んだ後の発病で,糖尿病の発現で職種を変えるわけにいかない場合もある.小児糖尿病でインスリン治療をしているテニス選手が,試合時に20分毎に角砂糖をとりながらテニスに励み,チャンピオンを獲得したということも知られている2).
労働量,運動量により必要なエネルギー量のおおよその算定方法はあるが,細目にわたっての所要エネルギー量を知ることが難しい.
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