臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IX.代謝・栄養障害
問題となるケースの治療
176.二次性高尿酸血症
中村 徹
1
,
加川 大三郎
2
Toru Nakamura
1
,
Daizaburo Kagawa
2
1福井医科大学・第1内科
2京都大学医学部・第1内科
pp.2482-2484
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218717
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例
45歳,男子.15年前に血尿を来たし急性腎炎の診断で治療を受けた.その後,尿蛋白が消失せず,感冒時増悪を指摘されて来院.2年前,拇趾趾根部に痛風の急性関節炎発作を来たし,以後,年に2〜3回発作を来たしている.初診時血清尿酸値(SUA)9.5mg/dl,BUN 60mg/dl,尿蛋白陽性,沈渣に赤血球,円柱,腎上皮を中等度認める.尿中尿酸排泄量(UUA)0.29mg/kg/hr,尿酸クリアランス(CUA)2.9ml/min,クレアチニン・クリアランス(Ccr)21.0ml/min,クリアランス比(R)13.8%で,排泄低下型高尿酸血症を示し,血圧190/110,左室肥大を認めた.低蛋白食,低プリン食摂取および食塩摂取制限を指示し,benzbromarone(Urinorm®)2錠.服用によりSUAは5.6mg/dlに低下した.以後2年間関節炎発作は来たしていない.なおthiazideの併用により血圧160/100近傍にコントロール中.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.