臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IX.代謝・栄養障害
問題となるケースの治療
171.食事療法の続けられない肥満患者の対策
片岡 邦三
1
Kunizo Kataoka
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.2470-2471
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218712
- 有料閲覧
- 文献概要
減食療法を守れば必ず体重減少が得られるはずだが,実際には正常体重までの減量は容易ではない.筆者らの外来に肥満の治療を希望して来院した480例のうち,4kg以上減少したものは49.0%,正常体重範囲となったものは18.2%に過ぎない.まず初診の段階で約半数が脱落し,以後来院しないのである.肥満者の多くは安易でしかも効率的な特殊の減量法を期待して来院するのであろうが,減食療法しかないときいて落胆する.彼らは何度も減食に挑戦しては失敗した経験を持つからであろう.つまり,やせようと思う強固な意志に欠けるのである.減食療法を続けられない患者には,医師の熱心な指導ばかりでなく,周囲の温かい理解と励ましが必要であり,定期的に通院させて,本人にやる気を出させることがもっとも大切である.以下経験にもとづいた2,3の対策について述べる.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.