臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IX.代謝・栄養障害
問題となるケースの治療
172.食事療法だけでは改善しない高脂血症
花井 尚志
1
Takashi Hanai
1
1北陵内科病院
pp.2472-2473
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218713
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血中の各脂質分面は,血中で単独で存在するのではなく,アポ蛋白やアルブミンと結合し,巨大な分子量をもつリポ蛋白として存在するため,脂質代謝の研究は比較的遅れていた.1965年Fredricksonらが,Chylomicron,Pre-β-,β-,α-リポ蛋白の4つのリポ蛋白から高脂血症を5つの型に分類することを提唱した1).その後リポ蛋白の研究・治療が急速な進歩をとげたが,まだ高脂血症の十分な解明はなされてはいない.とくに治療に関しては,食事療法の重要性が大きい反面,薬物療法にはこれといった決め手となる薬物がないといっていい現状である2).
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