臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
VII.腎疾患
新しい治療法,新しい薬剤
142.難治性ネフローゼ症候群に対するPGE1療法の効果と適応
佐藤 昌志
1
,
児島 弘臣
1
,
越川 昭三
1
Masashi Sato
1
,
Hiroomi Kojima
1
,
Shozo Koshikawa
1
1昭和大学藤が丘病院・内科
pp.2404-2405
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218683
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症例
73歳,男.昭和55年3月1日,顔面や下肢に浮腫が出現したため近医を訪れたところ,タンパク尿,血尿,乏尿が認められ,諸検査の結果で急性腎不全と診断された.腹膜透析を開始し,3月16日当科へ転院した.
入院時の検査結果は,T.P 4.7g/dl,A1b. 2.5g/dl,T-Chol 286mg/dl,BUN 115mg/dl,U.A 3.7mg/dl,Creatinine 10.3mg/dl,尿量 100ml/日,尿タンパク 1,140mg/dl,尿潜血(++)などであった.3月17日外シャント作成して血液透析に導入した.以後腎機能は改善し,尿量も1,000ml/日を越し透析療法を離脱できた.しかし,尿タンパク量は10〜30g/日とネフローゼ症候群が持続していたため,4月10日腎生検を施行したところ膜性腎症と診断された.
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