臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
V.消化管・腹膜疾患
薬物療法のポイント
90.H2レセプター拮抗剤の使い方
石森 章
1
Akira Ishimori
1
1東北大学医学部・臨床検査診断学
pp.2280-2281
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218631
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消化性潰瘍の発生病理ならびに病態生理に関する知見の増大とともに,特徴的な作用機序をもつ新薬の開発が相次いだ結果,消化性潰瘍の治療は個々の症例の発生病理学的ならびに病態生理学的特性にもとづいた個別的治療が可能となってきた1).一方,再発のくり返しを特徴とする消化性潰瘍の治療において,現存する潰瘍病巣の治療のしかたいかんが治癒後の再発動向に大きな影響を与えることが注目され始めている.すなわち消化性潰瘍の治療目標は,治癒後にできるだけ歪を残さずにきれいに治すという方向に比重を移しつつあるということができる.この目標の達成は単に使用する潰瘍治療薬の使い方の再検討によるだけでなく,その適用すなわち治療対象となる個々の症例の発生病理学的ならびに病態生理学的背景の理解が前提となることは明らかであり,ここではこのような観点からH2レセプター拮抗剤の使い方を考えることとする.
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