臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
III.呼吸器疾患
問題となるケースの治療
48.慢性肺疾患患者の禁煙をどう指導するか
川野 正七
1
Masashichi Kawano
1
1北九州市立八幡病院
pp.2180-2181
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218589
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「すべての診察室は禁煙クリニックであるべし」と平山雄氏は言われるが,私も「恐るべきタバコ」(文泉)1)に記述したように,私の姪と兄が相次いで肺癌のため死亡したので,それ以来強力に外来患者の禁煙指導をすることにしている.
咳や痰などの呼吸器疾患症状だけでなく,その他の症状を訴える者にもタバコとの関係やタバコの有害な理由などを説明して,禁煙を勧めるというよりも命じる.説明の足りないところは1977年に作製した13頁のパンフレット「恐るべきタバコ公害」2)を渡して,よく読ませる.禁煙に同意しない患者の治療はお断りする,と言うより治癒させる自信がないから他医に行くように告げる.そう言われて禁煙すると言わない患者はない.
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