今月の主題 各種病態における抗生物質の使い方
循環器疾患
ペースメーカ植え込み時の感染
横山 正義
1
Masayoshi Yokoyama
1
1東京女子医科大学・第1外科
pp.1878-1879
発行日 1983年11月10日
Published Date 1983/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218505
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感染の頻度と症状
異物を生体内に植え込んだとき,感染症がどの程度生じるかは興味ある問題である.ペースメーカが200g以上の重さがあったころは,植え込み患者の5〜10%に感染をみた1).その後,ペースメーカ重量が数十グラムになり,感染症発生も約3%に減少した2).筆者らの施設で,最近の200症例中6例(3.0%)のペースメーカ植え込み後感染を経験した.現在のペースメーカ重量は約40gとなったので,感染発生率も1〜2%に減少することが期待される.
感染にも2種類あり,赤くはれあがってくるものと,皮膚壊死の形をとり,ゆっくり進行してくるものとがある.皮膚壊死の多くの症例は感染が合併しているものと考えられる2)(図1).
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