グラフ 臨床医のための電顕写真
肝臓・1
B型肝炎の肝細胞障害機序—免疫電顕による検討
小島 隆
1
,
佐々木 博
1
Takashi Kojima
1
,
Hiroshi Sasaki
1
1富山医科薬科大学・第3内科
pp.1586-1589
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218439
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B型肝炎の発症機序に関しては,細胞性免疫の機構が重要な役割を演じているものと考えられ,電顕により観察されるHB抗原保有肝細胞とリンパ球とのinteractionの像は,このような免疫反応の形態像と考えられている1).この際,標的細胞表面には,標的抗原の表出が必要であると考えられている.筆者らは免疫電顕的手技により肝細胞内HBV関連抗原を検討し,とくに細胞膜に表出したHBs抗原を有する肝細胞とリンパ球との接触像の観察により,肝細胞膜表出HBs抗原の標的抗原としての可能性を検討した.また,単クローン性抗ヒト-リンパ球抗体を用い,肝組織内浸潤リンパ球のT-cel1 Subsetを電顕レベルで検討し,B型肝炎の発症機序に検討を加えた.
血中HBs抗原持続陽性の慢性肝疾患25例を対象とし,肝組織内HBs抗原および浸潤リンパ球の同定はPLP固定凍結切片上で,抗HBs抗体(rabbit)および単クローン性抗ヒト-リンパ球抗体(LeuおよびOKseries)を用い酵素抗体法にて光顕および電顕レベルで検討した.
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