今月の主題 肝硬変と肝癌
肝硬変から肝(細胞)癌へ—成因的立場から
市田 文弘
1
,
曽我 憲二
1
Fumihiro Ichida
1
,
Kenji Soga
1
1新潟大学医学部・第3内科
pp.1446-1450
発行日 1983年9月10日
Published Date 1983/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218407
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わが国における肝細胞癌(HCC)の多くは,肝硬変あるいは肝線維症を伴っていることは周知の事実である.また臨床病理学的な追跡調査の結果から,ウイルス肝炎→肝硬変→肝細胞癌が一連の肝疾患であることも明らかになっている.一方,B型肝炎ウイルス(HBV)関連抗原抗体系の検出法の確立によって,ウイルス肝炎,肝硬変からHCCへの進展に,HBVが大きな役割を果たしていることが明らかになった.さらに,最近になって非A非B型肝炎とHCCとの関連が臨床面から注目されつつある.
本稿では,肝炎ウイルスとHCCとの関連および臨床例の追跡による肝炎,肝硬変とHCCとの関連について,自験例を中心に検討を加えた成績を述べる.
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