境界領域 転科のタイミング
急性動脈閉塞症—とくに心疾患に合併する動脈塞栓症
岩井 武尚
1
Takehisa Iwai
1
1東京医科歯科大学医学部・第1外科
pp.1382-1386
発行日 1983年8月10日
Published Date 1983/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218398
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脳と心臓の虚血に関しては,内科医,外科医の双方とも強い関心をもっており,現在のところその連係プレーはうまくいっているようであるが,その他の臓器の虚血ということになると必ずしもうまくいっていないようである.内科系の方々には関心が少ないのかもしれないが,消化管,泌尿生殖器,四肢の骨・筋肉などに起こる虚血は,もしそれが急激に起こると脳や心臓の場合のようにすぐに死と結びつかないまでも,それに準ずる重大事件として患者の生命,社会生活を脅かすことは事実である.
血液の流れなくなった臓器はどんなものでも,そのまま体の中に入れておけば患者の死につながるし,虚血にさらされた臓器は,それがどんなに小さくても甦らせるのが医師の務めであり,しかもかなりの分野でそれが可能な時代になってきたといえる.
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