今月の主題 臨床医のための神経内科学
治療の現状
顔面神経麻痺
鳥居 順三
1
Junzo Torii
1
1北里大学医学部・内科
pp.1304-1305
発行日 1983年8月10日
Published Date 1983/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218384
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末梢性顔面神経麻痺は,顔面神経が脳幹の顔面神経核から末梢に至る経路のどこかで障害されて起こる.このうちもっとも多いものが,原因のはっきりしない特発性顔面神経麻痺で,いわゆるBell麻痺といわれるものである.これ以外に顔面麻痺を起こす原因となる疾患には,腫瘍,脳動脈瘤,感染症,外傷,脱髄疾患などがある.これらの原因の明らかな疾患は,原疾患の治療が主となるので,ここではBell麻痺の治療について述べる.
Bell麻痺の発症機転には諸説があり,細小動脈の乏血,潜在ウイルス感染による骨性顔面神経管内浮腫による圧迫などが考えられ,トリガーになるものに感染,ストレス,寒冷曝露などがあるとされている.
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