今月の主題 臨床医のための神経内科学
検査でどこまでわかるか
ベッドサイドの神経学的検査
本多 虔夫
1
Masao Honda
1
1横浜市立市民病院・神経科
pp.1258-1265
発行日 1983年8月10日
Published Date 1983/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218368
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神経系はその大部分が身体の深部に位置しているので必ずしも視診,触診には向いていないが,機能が各部分により異なるので,筋力・反射・知覚などその機能を調べれば,ベッドサイドの診察でも病巣の位置,広がりを明らかにすることができ,またそれから病巣の性状などもかなり正確に把握することができる.またくり返し診察することにより疾患の推移も知ることができる.しかし診察には被検者の協力が必要であり,意識や知能が障害されている者や乳幼児では診察から得られる情報も限定されざるをえず,また病巣が大脳のsilent areaに生じたり,あるいは病巣の機能が正常組織によって代償されるような場合にも,その病巣の存在が診察で見逃されることがある.
以下にベッドサイドの神経学的検査のやり方を述べるが,神経系は頭から足の先までおよんでいるので,検査は系統だって行われることが必要であり,各検者は自分なりに順序を決めておいて,それに従ってすすめていくことがのぞましい.
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