今月の主題 水と電解質
電解質異常と治療法の相互関係
栄養と電解質
出浦 照國
1
Terukuni Ideura
1
1昭和大学藤が丘病院・内科
pp.764-765
発行日 1983年5月10日
Published Date 1983/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218272
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□電解質の栄養学的意義
電解質代謝異常はもちろん,腎疾患,高血圧性疾患,浮腫性疾患などの治療には輸液療法,利尿薬・イオン交換樹脂などの薬物療法,透析療法などが行われる.しかしながら,これらの治療に十分な効果や効率のよい効果を期待するには栄養学的配慮(食事療法)が不可欠である1).ときには食事療法のみでも十分な効果を得ることはかなり経験される.また,こういった疾患や病的状態の予防,進展増悪の防止あるいは阻止に電解質を配慮した食事療法はきわめて大きな意義を有する.日常臨床上とくに重要なのはNa,K,P,Caである.そのほかにMgも注目されており,FeやCuその他のtrace elementsについてもその栄養学的意義が頻繁に論じられるようになっている.本稿ではこのうちNa,K,P,Caについて,腎・高血圧性疾患を中心に述べる.
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