今月の主題 免疫からみた腸疾患
腸疾患の臨床
潰瘍性大腸炎
土屋 雅春
1
,
相磯 貞和
1
,
朝倉 均
1
Masaharu Tsuchiya
1
,
Sadakazu Aiso
1
,
Hitoshi Asakura
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.218-219
発行日 1983年2月10日
Published Date 1983/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218140
- 有料閲覧
- 文献概要
腸管粘膜には,多数のマクロファージ,リンパ球,形質細胞のほか,Peyer板やリンパ濾胞などの特殊なリンパ装置が存在し,侵入異物に対して防御機構を営んでいる.このような複雑な免疫機序が存在している腸管において,種々の免疫異常によって示される病態も多彩である.なかでも潰瘍性大腸炎は,大腸粘膜の慢性びまん性の炎症性疾患であるが,皮膚病変,肝障害,関節炎などの多彩な合併症を伴うこと,治療における副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤の有効性などに加え,自己抗体の出現などの免疫異常状態の存在が明らかとされ,本症の病因に対する免疫的機序の関与が注目されている.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.