病気のはなし
潰瘍性大腸炎
朝倉 均
1
1新潟大学医学部第3内科
pp.422-427
発行日 2000年5月1日
Published Date 2000/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905356
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新しい知見
潰瘍性大腸炎の原因は不明であるが,マウスのリンパ球やマクロファージに運伝子工学的に異常を起こすと,CD4というリンパ球やマクロファージが活性化されて,最終的にサイトカインのインターフェロン(IFN)γや腫瘍壊死因子(TNF)αの産生が亢進し,腸内細菌の存在のもとに大腸炎が引き起こされる.ヒトでも本症患者の末梢血よりリンパ球やマクロファージのもとになる単球を除去(白血球除去療法)すると,大腸炎は軽快する.最近,ざまざまな疾患の患者は,ある素因,換言すると疾患感受性遺伝子を保有していることが明らかになり,本症ではその遺伝子が染色体3,6,7,12,16にあるのではないかといわれている.日本人では第6染色体短腕のHLA上のDR2近傍にある.
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