今月の主題 自律神経失調症—心身症としての考え方・扱い方
薬物療法
循環器系症状に対して
篠田 知璋
1
Tamoaki Sinoda
1
1聖路加国際病院・内科
pp.1792-1793
発行日 1982年10月10日
Published Date 1982/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217964
- 有料閲覧
- 文献概要
人間の生あるかぎり,自律神経系は絶えず失調しているわけだが,その失調が激しく持続した際には,身体各所に固定した機能失調症候を呈し,そのために,人間は,各所の不快な自覚症状をもつに至る.これらの機能失調の機序がすべて生理学的に解明されているわけではないが,循環器系愁訴に関しては,心電図24時間モニター,自動血圧計による機能的測定などの開発によって,かなり解明につながる情報を得ることが可能となっている.このことは,本症の治療にあたって,たいへん有利なことであり,とくに薬物療法に際しては,より適確な薬剤選択が可能となり,従来のような模索的な抗不安剤の投与にとどまる治療に比して,適切に行え,患者に多くの福音をもたらすといえよう.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.