特集 MATERNAL ADJUSTMENT
循環器系
寺尾 俊彦
1
,
朝比奈 俊彦
1
Toshihiko Terao
1
,
Toshihiko Asahina
1
1浜松医科大学産婦人科学教室
pp.437-443
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207997
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母体は妊娠すると,reproductionを行うためのさまざまな適応性変化(maternal adjustment)をおこす。その主題は胎児・胎盤系の調和である。その中でも,血液を含む循環器系のmaternal adjustmentは重要である。
循環器系の変化とひと口に言っても,解剖学的変化と血液の変化があり,血液の変化も量の変化とその性状の変化がある。さらに血液性状の変化も,血球系,免疫系,血漿蛋白系,血液凝固線溶系などの変化があり,また人体各臓器で産生されたり放出されたりする各種の酵素,ホルモン,電解質などの変化もある。これらがrepro—ductionという1つの目的に向かって調和しながら変動してゆくのである。
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