講座 臨床薬理学 薬物療法の考え方・11
臨床薬効評価(3)
中野 重行
Shigeyuki Nakano
pp.537-542
発行日 1982年3月10日
Published Date 1982/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217689
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合理的な薬物療法を確立するためには,臨床における薬効の評価は必要不可欠なプロセスである,このような「臨床薬効評価」に関する倫理性の問題各試験段階の特徴,比較対照試験の必要性,二重盲検法の重要性,推計学の利用などについては,前回までに述べた.今回は,「臨床薬効評価」の各段階の目的と,一般に広く行われている手続きについてまとめることにする.
すでに記したように,ヒトを対象とした臨床試験は,普通比較的少数の健常人を対象とした第1相試験(phase 1 study),次いで,その薬物の有効性が期待される病態像を有する患者層を対象とした第2相試験(phase 2 study),さらにその薬物の有効性と安全性の確認段階である第3相試験(phase 3 study)へと進む.この段階までに薬物の有効性が確認されると薬として許可になるが,さらに市販された後に長期にわたって臨床の場でその安全性と有用性の評価を行う場合には,これを第4相試験(phase 4 study)と称している.
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