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薬効評価
佐久間 昭
1
1医歯大心研薬理
pp.146-147
発行日 1972年2月10日
Published Date 1972/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203986
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副作用ほとんどなし
たとえば,本誌をパラパラと見ていただくとすぐにわかることであるが,掲載されている薬の広告のうち,まあまあ正直なものは,九牛の一毛といったところである.編集陣も満足しているわけではないだろう.不正直な広告の原型は,効果は抜群・副作用はほとんどなしといったもので,主効果の誇大な表現には馴らされてきたが,重篤な逆効果の可能性にまったくふれていないことは,医師が患者の存在を考えるとき,はなはだ迷惑で危険きわまりない.
一般の臨床家が,金もうけにいそがしくて患者のことなどかまっていられないというのなら別であるが,上記のような不正直な広告に対して寛大すぎないだろうか.少なくとも,使用上の注意の要旨ぐらいは書きそえて,学術誌にふさわしい広告の姿をとるように,強い要望があってもよさそうに思う.
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